1人でも稼ぎやすくなったから?場所を問わず稼げるようになったから?収入の柱を増やしてもっと豊かになれるチャンスが来たから?
全部違います。
こんにちは、おもデジ!ライブラリのたこなまです。
今回は、副業をしようとしているすべての人に向けて書く記事です。
今副業、流行ってますよね。多くの人も、これからの社会は本業だけじゃなくて、副業でも収入の柱を作るのがスタンダードになることに気づいているんじゃないでしょうか。
在宅でもやりやすくなってることもあって、現在世の中は副業解禁ブームです。
でも同時に、多くの人はこう考えているはず。
それってむしろ、もっと働かなきゃいけなくて悪い社会になってないか?
その通り。
そもそも「副業」という概念がおかしいのです。
必要がないならもっと多く働こうなんて人は多くないし、趣味が本業だけどそれでは生きていけないからやるならまだしも、本業に嫌なことをやり、趣味でも働くなんておかしいですよね。
「副業」が特に興味ない趣味でもないことなら、もっと悪い。完全に社畜と同じです。
そんなこと言ったって生きていくために必要なお金のためだ、という意見もあるでしょうが、そもそもどうしてこんな社会が到来したのでしょうか?
そして、抜け出すにはどうすべきなのでしょうか?
この疑問について、今回の記事では歴史学の知見から理由を記事にしました。
歴史は役に立たないと思われがちですが、そんなことはありません。現在の副業ブームとその未来は、過去200年に及ぶ産業革命時代から同じレールの上にあるのです。
今回の記事では、それを皆さんにお示しし、これからどうすべきかについて論じていきます。分かりやすく伝わると良いのですが。
ではいこう!
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【現状】ほとんどの副業は場当たり的な仕方のない手段
まず、現在の副業事情について現状を確認しておきます。
大抵の副業は、これから仕事を奪われていく一般労働者にとって「場当たり的に仕方なく収入を増やすために有効だったから流行っただけ」です。
そして、そのような副業はそのうち仕事として成立しなくなることは明白でです。
なぜ、場当たり的な副業が流行ったのでしょうか。
以降では、労働の歴史的な経過を見ながら場当たり的な副業が流行った理由についてみていきます。
場当たり的な副業が流行った理由
【産業革命以前】普通の暮らしをする職人とその日暮らしの一般労働者
産業革命以前、社会は高度な技をもつ職人とその日暮らしの一般労働者によって構成されていました。
職人は人生のほとんどをその仕事と鍛錬に使ったが、必要な生活はでき、家族を持つこともできました。
対して、一般労働者は自分で考え経験することで職人になることもできましたが、基本的にはその日暮らしをして、その生活は厳しいものでした。
こういった社会では、当然一般労働者はより良い生活を求めて試行錯誤をしました。職人も必ずしも良い暮らしではなかったため試行錯誤し、結果はどうであれ、皆が工夫をして生活していました。
【産業革命期以降】社会全体の水準が大幅にアップ。事業者と一般労働者の格差は広がった
しかし、大きな転機が訪れます。産業革命です。
この機械化で、世の中のあらゆる産業が一新されました。
これに対応できない者は転落しましたが、機械化は大多数の一般労働者にとっては救いの手でした。
なぜなら、この時点の機械には人間の操作が必要不可欠であり、それによってこれまでその日暮らしをしてきた一般労働者は安定して機械操作人としての価値をもてるようになったからです。
つまり、機械の操作人として高い価値を生み出せるようになったのです。
しかしこの産業革命は人々に均一性を求め、この均一性は見えないところで事業主と一般労働者のあいだの格差を広げていきました。
汎用な人々が大量発生した
機械化は、これまでその日暮らしをしていた一般労働者に機械操作人としての安定した価値を与えました。
しかし、機械化はその対価として人それぞれの価値を消し去りました。
つまり、それぞれの人が持っていた独自の価値を消し、その代わりに単純な機械操作による安定的な価値を提供したのです。
自分カラーというものは良くも悪くも不確定でハイリスクハイリターンなので、多くの人は安定を求めて独自の価値を消したというわけです。
また、これまで高度な技を持っていた職人が大量生産に圧迫されたという当時の社会状況も、自分の価値を高めて職人になるよりも、独自の価値を捨ててでも安定という価値を求めさせる要因になったのでしょう。
ただ、当然険しい道を選んで機械化に対応した職人兼事業主や機械化で成り上がった事業主と一般労働者の間には、これまで以上に深い溝ができました。
つまり、事業主は自分だけの価値を示すことに関してより高度になった反面、一般労働者は単純作業しかできなくなってしまったのです。
だというのに、不幸か幸運か、両者は等しくより豊かになり一般労働者の生活は確かに向上したので、人々はそのことに気づきませんでした。
これは換言すると、生活水準自体が押し上げられただけで、事業者と一般労働者の格差はそのままだったということですが、それに気づくものは少なかったはずです。
その後産業革命より200年、人類はこの方法で富裕層と一般労働者の差を縮めずに、同じペースで発展を続けてきました。
この結果、富裕層はより豊かになったが、一般労働者も同じくらいのペースで豊かになったため両者に差があっても誰も気にしない、という状態が続くことになりました。
この間、富裕層は発展する社会に直に触れて発展を牽引していく立場にあったため、富裕層は常に自分に出来ることを考え、社会の中での価値を探していました。
反面、一般労働者は自分の価値を考えずとも発展が続く社会で、次第に考えることをやめていきました。
【近年】発展は終わり、自分の価値を高めなければいけなくなった
しかし皆さんも知っている通り、近年になって豊かさはついに天井を迎えました。
人口増加と環境破壊によって人類はこれ以上豊かさを高めることが出来なくなったのです。
つまり、クオリティ・オブ・ライフの始まりです。これにより、これまで上へ上へとのばしてきた豊かさの方向が横や斜め方向に伸び始めました。
つまり、社会は発展の段階から成熟の段階に変わったのです。
社会システムはより効率化され、人々はより自由に色々なことをできるようになる時代に入ったということですね。
ですがこのような社会では、これまで何も考えず、誤解を恐れずに言うならば「産業革命から続いてきた機械操作人としての安定的な価値」にあぐらをかいてきた一般労働者の未来が問題となります。
社会システムが効率化され、社会の成熟方向が多方面に伸びる中では、均一で単純なものは生き残れないので、常に色々な方向を向き、競争の少ない方へと伸びていく力が必要なのです。
さらに、追い打ちをかけるように機械は自動化されて徐々に人の手を離れていっています。
つまり一般労働者は、これまで自らの立場を守ってきた「人間の操作が必要な機械」に見捨てられると同時に、これまで求められてきた「均一性」が足枷になるのです。
逆に、常に社会における価値を考えてきた富裕層は社会システムの効率化を上手く使いこなせることは想像に難くないでしょう。
よってここに、富裕層と一般労働者の差が急激に開いていく二極化現象が見られるようになりました。
200年近く何も考えずに単純作業をしてきた一般労働者と、200年近く新たな発展に対応しようと自分の価値を社会に示してきた事業主の間には、これからの時代を生きるのに必要な能力に、大きな溝が出来ているのです。
それに、インターネットの発展によって地域という枠組みを超えた社会では、自分だけの価値を見つけるのはより一層困難になっています。
考えることをやめ、単純作業によって利益を享受してきた一般労働者にとっては想像したくない世界が到来してしまいました。
しかし残念ながら、多くの一般労働者は恐らくこの変革に気づいていないのが現状です。
機械が人の手を離れることで単純労働が無くなることを嘆く人は多いですが、社会の成熟により独自の価値を示していかなければいけないことを嘆く人はほとんどいないのがその証拠でしょう(ちなみに、独自の価値を示せれば機械化に仕事を奪われることはありえません。詳しくは下記の補足)。
その中で一般労働者の状況に合致したのが副業
そして、こうした中で出てきたのが、副業です。
副業の特徴は、本業をやっていない空き時間で稼げること、ものによっては在宅で1人で稼げること。
つまり、正式に会社に入社したり会社を設立しなくても収入を得られるという点で、これまでの社会にはあまり見られなかった画期的な収入源です。
ですがここまでの話でわかる通り、ただ収入が増えたとしても最早意味はありませんし、将来的にはどんどん稼げなくなっていくでしょう。
なぜなら、あらゆる仕事は効率化されて人間の仕事では無くなるし、自分だけの価値を持たない単純作業はもはや必要のないものになっていくから。
それを踏まえて、今回つまびらかにした社会の現状と照らし合わせてみると、副業をするという選択は大抵の場合次のように言い換えられます。
「今までの仕事で稼げなくなるから、とりあえず他にも働き口を探して収入を維持しよう。」
つまり、一般労働者が稼げなくなってくる中で、兼業をしているのと同じです。時間や場所の制約がなくなっただけで、やっている事はかつての均一な単純労働と変わらないのですから。
当然、将来的には現在の副業のほとんどは収入にならなくなり、独自の価値を示せた人だけが収入を増やしていけるでしょう。
結論として、世の中の副業ブームは、大多数を占める一般労働者の逃げ道なのです。
ただ単に副業を続けても、新しい知識は手に入るかもしれませんが自分だけの価値は見つけられません。
そのうち機械に取って代わられ、本業と副業のどちらでも収入が得られない世界が待つだけなのです。
補足ですが、独自の価値を示せるのなら機械の自動化に仕事を奪われることは絶対にありません。
理由は簡単で、独自の価値を機械化することは出来ないから。
もう少し明確な説明をすると、独自の価値といえるレベルのものを機械化するのはコストが高すぎて採算が取れないため、機械化されないということです。
具体例で考えるとわかりやすいのですが、宇宙に行ったことがあり、立体的なアートの名人で理論物理学者の人がいたとします。
その人は宇宙で感じた生身の体験を元に理論物理学に基づいた3Dのアートを作成できます。
この場合、これと同じことが出来る機械を開発するのにどれだけの費用がかかるでしょう?
こういう時は、コストが高すぎるのでとりあえずはこの学者にやらせておこうとなるのが常識ですよね。
これと同じように、機械化は、機械にした方がコストカットができる時にだけ、行われます。
つまり、機械化に仕事を奪われるというのはこういいかえることができます。
「機械が進歩して機会でやった方が安くなったから機械にしよう」
そう、結局はコストなのです。
【未来】目先の利益じゃなく、自分だけの価値を見つけよう
ではどうすれば良いのか。
答えは簡単で、とりあえず稼ぐためにやっている副業があるならそれを見直して、自分だけの価値を探せば良いのです。
理由は、とりあえず稼げているからといって副業を続けても、そこから将来的に自分の価値になるものを得られなければ儲けは長続きしないから。
もちろん、自分だけの価値を探す目的なら副業をしても全く問題はないのですが、副業で時間を奪われていると感じているなら、一旦立ち止まって考えるのがおすすめです。
当然、現時点でお金を稼げるビジネスとして成立しているものは皆がやるので、ただ続けただけでは自分だけの価値になるものは多くない、ということも常に考えておく必要があります。
今はお金にならない「趣味」を突き詰めることこそが将来の本業
私としては、自分だけの価値を探すためにやることは、必ずしも今すぐにお金にならないことで良いんじゃないかと考えています。
考えてみれば、20年前、一体誰が、自宅でとった動画を配信することで生計を立てる人(YouTuber)が現れることを予想出来たでしょう。
現在でも、ドローン撮影に夢中になっている人は数年後にAmazonのドローン配達や災害時の物資輸送で大儲けしているかもしれませんよね。
既に述べたように、これからの時代は、発展ではなく成熟に舵が切られていく時代です(もちろん他の惑星が人類の居住地になれば再び発展の時代ですが)。
そのような世界では、人間に求められるのは仕事や趣味という次元を超越した形での「その人なりの価値」。
自分にしかできないことを持っている人間は、その価値を使って社会の中に居場所を得られます。
自分にしかできないこと=個性というのは大抵自分が好きなことと共通しているので、まずは好きなことを突き詰めてみることから始めるのが良いでしょう。
好きなことがない人は、まずお金を掛けてでも興味の湧いたことをやってみるのがおすすめ。何事もまずは経験しなければ分かりませんからね。
つまり、趣味を突き詰めていくことで仕事になる、ということですね。
【まとめ】稼ぐのではなく、好きなことをしよう
均一で予測可能な人材が求められる時代から、仕事だろうと遊びだろうと、その人なりの個性を持つ人材が求められる社会が到来しかけています。
これをめんどうくさいと捉える人も多いかもしれませんが、自分の興味のあることに没頭することで自然にオンリーワンへの道が開けていくと考えれば悪くない話ではないでしょうか。
最後になりますが、稼ぐための副業は結果的にただ単純作業をする時間を増やしているだけで、本当に必要な価値を持つことには繋がりません。
今やっている副業は本当に将来的に自分の価値になるかを考えなおし、場合によっては副業を一旦やめる勇気を持つことも大切かもしれません。
学習や成長は嫌々やると面倒ですが、好きなことに関して色々な考えを深めていけるのは結構楽しいものなので、ぜひ試していただければと思います。
では今回はここまで。
分かりにくい文章でしたが、ためになったと思っていただけたら、Twitterのフォロー、いいね等よろしくお願いいたします。
ばいっ